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アトリエ インカーブ物語
アートと福祉で社会を動かす
今中博之著

¥900+税

アトリエ インカーブ代表の今中博之の初著書 『観点変更-なぜ、アトリエ インカーブは生まれたか-』 が11年を経て文庫化。知的に障がいのあるアーティストが集う「アトリエ インカーブ」では、作品をカテゴライズすることなく、 「現代に生きるアーティストが作るアート」 = 「現代アート」 として発表してきた。世界的評価の高いアーティストを輩出したアトリエは何のために、いかにして誕生したのか? 今中は「たくさんの人に出会い、学びの機会をえた。そして、捨てられ、捨ててきた。残ったのは、デザインと社会福祉と仏教だった」と語る。奇跡の出会いと運命、必然が交錯した二十年の物語が幕をあける。新たに書き下ろした 「今」 の活動や想いを収録した一冊。

「先入観があるという先入観を捨てる」
---日比野克彦(現代美術家/東京藝術大学美術学部長)


著者 今中博之
装幀 坂野公一+吉田友美(welle design)
装画 新木友行「走り高跳び」
発行 河出書房新社
定価 本体900円+税
河出文庫 文庫/304ページ
2020年7月20日 第一刷発行
978-4-309-41758-5 C0195

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[ 目次 ]
文庫版のための「はじめに」
単行本版「はじめに」


第一章「一〇〇万人に一人」の、私は何者か
原風景
無償の愛/湾曲した足
流れ転じる
鏡に映せないからだ/レーモンド・ローウイとの出会い/自らを受容する

第二章「デザイン」とは何か
喜ぶ姿を見せてはいけない
屈すること、屈しないこと/橋は焼かれた/下品を知る
「オリジナリティ」は必要か
育てられる/オリジナルを追う/引きこもり

第三章「アカデミズム」の呪縛が解ける
二律背反がとけあう
透明な檻/切れかかった蛍光灯
大建築家と郵便配達員とアール・ブリュット
デザインの原点に戻るために ―ル・コルビュジェ/天使の梯子 ―シュヴァルの理想宮/初めての恐怖―アール・ブリュット・コレクション
アートとデザインは乖離すべし
アートとは/デザインの世界に戻る

第四章 なぜ、アトリエ インカーブは生まれたか
描くことが無性に好きな人たち
それを建てれば彼が来る/歪なシステム ―アトリエ万代倉庫/安全な秘密基地/福の神とイマナカデザイン/国家が背負うべきもの
環境を整えるのみ
王としての徳を備えた人/かたのないこと/「一般的なコト」と「特別なコト」/何もしない/育とうとする力

第五章 バイアスを解く
精神科医・式場隆三郎
山下清との出会い/強制された制作意欲/二笑亭綺譚
誤解された対話
外野の騒ぎかた/時代的な齟齬/サイコアナリシスの弊害/作品と作家の関係性
どこの馬の骨
文化面ではなく社会面/学芸員の眼力/デザインされたグッズ/ルールの違い
ニューヨークへ
発見者フィリス・カインド/アウトサイダー・アート・フェア/フィリスの審美眼

第六章 現代美術の超新星たち
日本へ帰ろう
アート・パトロン/閉じながら開く/コンテンポラリー・アートの先にあるもの
美術館でアトリエ インカーブ展を行う
呪縛からの解放/寺尾勝広/湯元光男/新木友行/武田英治
復讐を受け止める
封じられてきた根源的な権利の奪回/二つの復讐/ネグレクトしてきたもの/「読ませる作品」と「考えさせる作品」と「感じさせる作品」

第七章 アトリエ インカーブの展開 
流れて価値がでる
ギャラリー インカーブ/1/1と1/25/経済的価値と文化的価値/著作権を守る
パーマネント・コレクション
流す価値、留める価値/四つの理由/意味を与える行為
金平糖の先っぽ
コンテンツとシステム/感じるこころ/金平糖の先っぽ/見世物小屋なのか/「生きがい」と「就労」と「イチロー」

第八章「インカーブのようなところ」をつくる
情に報いる
“余剰”/奪われた理論的な抗弁/報いを求めない
これからの教育
インカーブのようなところ/人材を掘り起こすためのシステム/寺尾が教壇に立つ/「話す能力」と「聞く能力」/ギャップ・イヤー
「公」が守り「民」が育てる
ダブル・アシスト/専門的就労

第九章 社会性のある企て
観点変更とデザイン
小さな点/インカーブのポジション/空想は知識より重要である/文字らしきもの/ウィリアム・モリスの企て/客観写生
普通なしあわせ
拍手をおくるしあわせ/コントロールできること、できないこと/普通なしあわせ

単行本版「あとがき」
文庫版のための「補論」
文庫版のための「あとがき」
解説 静かでおだやかなこの物語を紡いでゆく 神谷梢


[ 著者 ]
今中博之(いまなか・ひろし)
1963年京都市生まれ。ソーシャルデザイナー。社会福祉法人 素王会 理事長。アトリエ インカーブ クリエイティブディレクター。公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会:文化・教育委員会委員、エンブレム委員会委員等。厚生労働省・文化庁:障害者の芸術文化振興に関する懇談会構成員、障害者文化芸術活動推進有識者会議構成員等。イマナカデザイン一級建築士事務所代表。金沢美術工芸大学非常勤講師。偽性アコンドロプラージア(先天性両下肢障がい)。1986年~2003年、(株)乃村工藝社デザイン部在籍。2002年に社会福祉法人 素王会 アトリエ インカーブを設立。知的に障がいのあるアーティストの作品を国内外に発信する。ソーシャルデザインにかかわる講演多数。グッドデザイン賞(Gマーク・ユニバーサルデザイン部門)、ディスプレイデザインアソシエイション(DDA)奨励賞、ウィンドーデザイン通産大臣賞など受賞多数。
アトリエ インカーブ

著書に 『かっこいい福祉』(村木厚子さんとの共著/左右社)
『社会を希望で満たす働きかた─ソーシャルデザインという仕事』(朝日新聞出版)
『観点変更─なぜ、アトリエ インカーブは生まれたか』(創元社)など。

*役職名や所属先のデータはこの書籍が刊行された当時のものです